愛犬とのお別れ(虹の橋)
申し訳ございませんが、今回は楽しい話題ではありません。でもどうしても他の話題にする気持ちにはなれませんでした。
1月21日に愛犬「シシ」が天国に旅立ちました。15歳と10ヶ月でした。中型犬の15~6歳というと人間の90歳くらいになるそうですので、仕方のないことです。
銀行の駐車場に捨てられていた仔犬を引き取ってから、15年以上も家族として一緒に過ごし、最後は私の腕の中で静かに眠ったのですが、「うちに来てくれて本当にありがとう」と声を掛けながら号泣してしまいました。
シシとは、アイノアール株式会社を設立する前から一緒でした。
設立当初は注文も少なく、お金も無かったので、休日はシシと散歩ばかりしていました。
将来が不安でたまらなかったあの頃に、シシに癒されて、明るく笑って過ごせたので、今があるのだと思っています。
今でも、ふとシシが寝ていた場所を見たり、シシの残した物を目にしたりするたびに、いろんな場面を思い出しては、涙がこぼれます。
そんな私たちに取引先の社長から「虹の橋」という詩が届きました。
この詩を読んでまた号泣してしまいましたが、心がとても軽くなり、前向きな気持ちになれました。
いつまでも泣いてはいられません。シシも、きっと虹の橋で待っていると思います。
いつかまたシシに会えると信じて・・・
「虹の橋・Rainbow Bridge 」とは原作者不詳のまま、沢山の動物愛好家達に語り継がれている詩です。 この詩に深い感動、共感を持った世界中の動物愛好家達によって、様々な国の言語に翻訳されインターネットを通じて世界に伝えられているそうです。『虹の橋』『虹の橋にて』『雨降り地区』と第3部まであります。
●虹の橋 <第1部>
天国の、ほんの少し手前に「虹の橋」と呼ばれるところがあります。
この地上にいる誰かと愛し合っていた動物は、死ぬとそこへ行くのです。
そこには草地や丘があり、彼らはみんなで走り回って遊ぶのです。
食べ物も水もたっぷりあって、お日さまは降り注ぎ、みんな暖かくて幸せなのです。
病気だった子も年老いていた子も、みんな元気を取り戻し、傷ついていたり不自由なからだになっていた子も、元のからだを取り戻すのです。まるで過ぎた日の夢のように・・・
みんな幸せで満ち足りているけれど、ひとつだけ不満があるのです。
それは自分にとっての特別な誰かさん、残してきてしまった誰かさんがここにいない寂しさのこと・・・。
動物たちは、みんな一緒に走り回って遊んでいます。
でも、ある日・・その中の1匹が突然立ち止まり、遠くを見つめます。
その瞳はきらきら輝き、からだは喜びに震えはじめます。
突然その子はみんなから離れ、緑の草の上を走りはじめます。
速く、それは速く、飛ぶようにあなたを見つけたのです。あなたとあなたの友は、再会の喜びに固く抱きあいます。
そしてもう二度と離れたりはしないのです。
幸福のキスがあなたの顔に降りそそぎ、あなたの両手は愛する友を優しく愛撫します。
そしてあなたは、信頼にあふれる友の瞳をもう一度のぞき込むのです。
あなたの人生から長い間失われていたけれど、その心からは一日も消えたことのなかったその瞳を。それからあなたたちは、一緒に「虹の橋」を渡っていくのです・・・。
●虹の橋にて <第2部>
けれど、動物たちの中には、様子の違う子もいます。
打ちのめされ、飢え、苦しみ、誰にも愛されることのなかった子たちです。
仲間たちが1匹また1匹と、それぞれの特別な誰かさんと再会し、橋を渡っていくのを、うらやましげに眺めているのです。
この子たちには、特別な誰かさんなどいないのです。
地上にある間、そんな人は現れなかったのです。
でもある日、彼らが遊んでいると、橋へと続く道の傍らに、誰かが立っているのに気づきます。
その人は、そこに繰り広げられる再会を、うらやましげに眺めているのです。
生きている間、彼は動物と暮らしたことがありませんでした。
そして彼は、打ちのめされ、飢え、苦しみ、誰にも愛されなかったのです。
ぽつんとたたずむ彼に、愛されたことのない動物が近づいていきます。
どうして彼はひとりぼっちなんだろうと、不思議に思って。
そうして、愛されたことのない者同士が近づくと、そこに奇跡が生まれるのです。
そう、彼らは一緒になるべくして生まれたのでした。
地上では巡りあうことができなかった、特別な誰かさんと、その愛する友として。
今ついに、この「虹の橋」のたもとで、ふたつの魂は出会い、苦痛も悲しみも消えて、友は一緒になるのです。
彼らは共に「虹の橋」を渡って行き、二度と別れることはないのです。
●雨降り地区 <第3部>
こんな風に、幸せと愛の奇跡に満ちている、「虹の橋」の入り口に、「雨降り地区」と呼ばれる場所があります。
そこではいつもシトシト冷たい雨が降り、動物達は寒さに震え、悲しみに打ちひしがれています。
そう、ここに降る雨は、残して来てしまった誰かさん、特別な誰かさんの流す涙なのです。
大抵の子は半年もしないうちに、暖かい日差しの中に駆け出して、仲間と戯れ、遊び、楽しく暮らす事ができます。
ほんの少しの寂しさと、物足りなさを感じながらも・・・。でも、1年経っても2年経っても、ずっと「雨降り地区」から、出て行かない子達もいるのです。
地上に残して来てしまった、特別な誰かさんがずっと悲しんでいるので、とてもじゃないけれど、みんなと楽しく遊ぶ気になれないのです。
地上に残して来た誰かさんと同じ辛い想いをして、同じ悲しみに凍えているのです。
死は全てを奪い去ってしまうものではありません。
同じ時を過ごし、同じ楽しみを分かち合い、愛し合った記憶は、あなたの心から、永遠に消え去る事はないのです。
地上にいる特別な誰かさん達の、幸せと愛に満ちた想い出こそが、「虹の橋」を創りあげているのです。
ですからどうか、別れの悲しみにだけ囚われないでください。
彼らはあなたを幸せにする為に、神様からつかわされたのです。
そして、何よりも大事な事を、伝えにやって来たのです。
命の儚さと愛しさを・・・束の間の温もりに感じる、慈悲の心の尊さを・・・その短い生涯の全てを以って、教えてくれるのです。
癒える事のない悲しみだけを、残しに来るのではありません。
思い出してください。動物達が残して行ってくれた、形にも言葉にもできない様々な宝物を。
それでも悲しくなったら、目を閉じてみてください。
「虹の橋」にいる、彼らの姿が見えるはずです。